当社では、入社したらどんな介護を提供していきたいのかといったことを尋ねる集団面接、役員面接のあと、採用を決定する前に、2、3日、施設での体験実習をしてもらっています。
このとき、チェックしているのは、生き生き働いているか、介護技術はどのレベルか、高齢者の立場で考え、発言し、行動できているか、そして、チームワークがあるか。これは採用担当ではなく、実習施設のケアリーダー、ケアスタッフが評価。あとは本人に感想文を書いてもらい、それを総合的に判断して、採用するかどうかを決定しています。
こんなふうに言うと身構えてしまいそうですが、これは逆に言えば、私たち施設側も、体験実習の間、応募者の方にどんな介護をしているか、どんな職員が働いているのかといったことをチェックされているということ。
お互いの偽らざる姿を見て、お互いによしと思えば来ていただくことになりますし、どこかかみ合わないと思えば採用にならない。当社サイドが来ていただきたい、と思っても、断られるケースもあるわけです。
応募者の方も当社サイドも手間のかかる採用システムですが、このシステムを取り入れてからは、ミスマッチが少なくなり、こちらがほしいと思っているとおりのいい方が採用できるようになったんですよ。
事業所の採用担当に聞いてみました!
_01基本編、訪問入浴サービス編
これから介護・福祉業界に転職しようとしている人も、業界内で転職しようとしている人も必読!
介護・福祉の施設、事業者の採用担当者のナマの声を紹介します。採用面接ではどんなことを聞くのか、どんな人がほしいのか、どんな採用手順なのか、こんなとんでもない人はお断り、他の事業者はこうらしい等々、読めばドキッとして役に立つこと間違いなし!
有料老人ホームのケース
訪問看護サービス事業者のケース
面接では、なぜ応募して来たのか、今後、どういう目標を持って働いていきたいと考えているかということを尋ねます。目標がないと、壁にぶつかったとき、すぐにくじけてしまいやすいですからね。
看護職の場合、病院と在宅は全く別物だと、それまでのスタイルをリセットしてもらう必要がある。病院は医療者の主導性が強いですが、在宅は利用者あるいはその家庭に合わせていく柔軟性が求められます。相手本位で考えられる人でないと、どんなに知識、技術があっても採用には至らないですね。
面接で聞いた考え方を確認する意味もあって、うちでは訪問看護に半日ほど体験同行してもらっています。同行先の家庭はさまざまですが、たとえば、1軒、一般的な訪問看護のイメージに近いケースに行ったら、もう1軒は現担当者も苦労しているような困難ケースも見せています。いいところだけ見せたら、入社後、こんなはずじゃなかった、と思うでしょうし、困難ケースだけじゃ、それはそれでつらいですからね。
同行時には、その家庭に着いたときの挨拶の仕方、家への入り方、見学している様子などをチェックします。見学しているときに、明らかに違和感のある人っているんですよ。その人のいる場所だけ空気が違うというか。訪問看護は、どの家庭にいっても、すっとその家庭の空気感になじめる人がいい。それができそうな人かどうかを見るようにしています
訪問入浴サービス事業者のケース
介護の仕事の中でも、訪問入浴サービスは、利用者の肌に直に接する分、特に向き不向きがはっきりする仕事。やる気があっても、向いていない、というケースがどうしてもあるんです。こちらが面接でイケルと思ったのに、「やってみたらダメでした……」と言われてしまうこともありました。だから今は、必ず入社前に体験同行をしてもらうことにしています。
訪問入浴サービスというのは、1日5、6軒の利用者さんのお宅を、3、4人のメンバーでずっと回るんです。だから、1日中一緒に車で移動する同じチームのメンバーと、チームワークよく仕事を進められなくてはならない。誰かが突出して気配りしても、誰かが一人気が回らなくても、いいサービスは提供できません。結構バランス感覚が必要なんですね。それに、決められた時間内にサービスを提供する手際の良さと、慌ただしさを感じさせない心配りも求められます。
でもこうしたこと以上に、これはもう、やってみて楽しいと思えるか、無理だ、と感じるか。本人の向き不向きに負うところが大きい。向いているように見えても、本人が楽しいと思えなかったら、絶対続きません。
だから、体験同行して、帰ってきたときの本人と、同じチームのメンバーを見れば、話を聞かなくてもイケルかどうか、わかりますよ。笑顔で帰ってきた人なら、きっと続けていけると思います。


