困るのは、福祉は与えてあげるものだと思って、人の役に立ちたいという気持ちだけで来ちゃう人。介護・福祉も仕事なんだから、相手に合わせて、相手の気持ちを汲み上げる努力が必要でしょう? ところが、「こうしてあげたい」という自分の思いを押しつけちゃう人って、意外と多いんですよ。
ホームヘルパーっていうのは、職場(利用者の家)に管理者がいない仕事。だから、自分自身の立場をきちんとわきまえられる人じゃないと、安心して仕事は任せられない。そういう意味での常識があるかどうかというのは、面接でじっくり見ますね。それと、今日明日の成果を競う仕事じゃないから、ゴールへ急ぐのではなく、ゆったりかまえて仕事に取り組めるかどうかも大事。あとは、何といっても聞き上手であること。高齢者っていうのは、どんなに文句の多い気難しい人も、じっくり話を聞いてあげれば時間はかかってもいい関係を築けるもの。だからヘルパーは聞き上手な人がいい。こういった点をクリアしているかどうかは、面接で話していれば自然とわかるものですよ。(訪問介護事業者)
事業所の採用担当に聞いてみました!
_02訪問介護事業者編、老人保健施設編、複合介護サービス事業者編
人の役に立ちたいって気持ちだけで来られても……
思いつきで絵空事を言わないでほしい
うちの施設で介護職として採用しているのは、基本的にはヘルパー2級以上の有資格者。求人広告にも、そう書いてます。でも、無資格者を全く採らないわけじゃない。有資格者募集なのに、わざわざ電話してきて、「無資格だけど、どうしても働きたいんです」と熱心に言われたら、会うだけ会ってみようと思いますよ。面接で話してみて、意欲があり、介護職に向いてそうだと思えたら、まずはアルバイトからでもいいならと言って採用することもある。でも採用できる人は少ないですね。以前、ある無資格の求職者の面接をしたとき、入職後どうしたいかと聞いたら、「働きながら介護福祉士の学校に通います」って言うんですよ。うちの施設はかなり田舎にあるから、介護学校がある都市まで行くのに2時間半はかかる。仕事のあと、そんな時間から授業をやってる学校なんてないですよ。そういうことを調べもせずに、さもやる気があるように言われてもねぇ。絵空事としか思えない。もちろん不採用でしたよ。
(老人保健施設)
気に入らないからってすぐ辞めるのはどうかと思う
ケアマネジャーをもっと採用したいと思っているんですけど、なかなか難しいですね。応募が少ないということもあるし、採用しても気に入らないとすぐ辞めてしまうもので……。特に、ケアマネジャー初心者の人は、理想に燃えてやってきて、理想と違うとなると、ポキンと枝が折れるように「私がやりたかったケアマネジメントはこんなことじゃない」なんて言って辞めてしまう。そんなことを言ってたら、どこに行っても長続きしないような気がするのですが……。でも、当社としても、変な誤解がないよう、今は面接に時間をかけ、現職のケアマネジャーにも会わせて、現場の実状を直接聞いてもらうようにしています。納得した上で入社してもらわないと、お互い不幸ですからね。ほしい人材は、人あたりがソフトでコミュニケーション能力の高い人。面接での相づちの打ち方なんかで、コミュニケーション能力が高いかどうかはわかりますよ。
(複合介護サービス事業者)
縦割り組織の会社には要注意
うちの会社はね、けっこう定着率が高いですよ。他の事業者さんからの転職組も多いです。そういう人に、なんでうちに来たの? と聞くと、前の会社はやりたいことができないから、なんて言う。たとえば、訪問入浴をずっとやってきたけど、訪問介護の事業部に移ってヘルパーをやりたいと言っても、縦割り組織で移れないらしい。そういうケースはいくつか聞きましたね。うちは、希望はできるだけ聞くようにしています。もちろん、全部聞けるわけじゃないし、希望ばっかり言われても困るけどね。
面接で見ているのは、熱意が感じられるかということ、それに私自身が要介護者だとしたら、安心して話せる人か、一緒にいて和める人か、ということ。介護技術よりはハート重視です。技術は後からいくらでも身につけられますからね。
(複合介護サービス事業者)

